就労支援事業所で、日々行われているアセスメント。
定性的評価が中心になっているケースを多く見かけます。
アセスメントにおいて重要な考え方に定性的評価と定量的評価があります。
定性的評価と定量的評価
定性的評価とは
誰が見ても同じ認識・評価ができるものではなく、物事の性質的、抽象的なものに着目した見方のことを言います。
例)氷は冷たい、赤ちゃんのお風呂は人肌くらいの温度
定量的評価とは
物事を量的に捉え、数字化することで、誰が見ても同じ認識・評価を行うことができる。
例)氷の温度は0℃、赤ちゃんのお風呂は人肌と同じ36℃前後
アセスメントで結果を出すためには
就労支援事業所におけるアセスメントについては、「結果が出る」とは、
ご利用者様の就労準備性が高まることで、生産性が上がることになります。
さらに言えば、一般就職を実現し、6ヶ月以上の定着を図ることになります。
(現行の就労支援事業においては、6ヶ月までの定着を評価するものになります)
その為には、アセスメントにおいて、定量的にご利用者様の就労状況を把握し、日々の支援計画に応用していく必要があります。
例えば、出席率は非常にわかりやすい定量的アセスメントになります。
また、1ヶ月の平均訓練時間(総訓練時間÷通所日数)を算出し、労働耐久性を定量的にアセスメントすることができます。
障害特性であれば、不安スケールなどを活用し、
「今日は疲れている」、「今日はイライラする」という定性的評価に加えて、
「60%くらいの気分」、「30%くらい不安」のように定量的評価を合わせる必要があります。
必ず経過を見る
定量的評価については、1回実施してもその効果の半分も活用できていません。
必ず定期的なアセスメントを行い、変化をグラフ化します。
グラフの全体像を見ることで、「誰が見ても状態が悪くなったのか、良くなったのかが分かる (信頼性のある) 状態にする」必要があります。
現在の就労支援事業所のアセスメントシートを見ると、評価として点数をつけることはできてきても、経過を追うことはできていない事例を多く見かけます。
もったいないです。アセスメントがただの作業となってしまい、ご利用者様に還元できていません。
これを機会に、是非見直していただければと思います。
さいごに
福祉・医療現場において、アセスメントは肝です。
障害や病気、ご利用者様の特徴を正しく捉えていくためには、スタッフの経験則による定性的評価ではなく、定量的に把握する評価を実現する必要があります。
この点を意識しただけで、
私が運営に加った事業所では出席率は2ヶ月で18%(71%→89%)まで変化しました。
この意識は、しっかりと現場共有していただければと思います。
最後までご覧頂きまして、ありがとうございます。
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