【制度理解】就労支援事業所における定員の考えについて

法理解

【制度理解】就労支援事業所における定員の考えについて

 こんにちは!就労支援事業運営.com、管理人のまつやんです。国内で、就労支援事業所の開業・経営支援を行っています。今回は制度理解のコーナーです。障害者総合支援法の条文とその解釈に関する基準を含め、丁寧に確認していきましょう。

 今回は事業所における定員の考え方についてです。就労支援事業所には定員数が決まっており、人数により物件要件や人員要件が変わります。定員は、事業所が適切にサービスを提供する観点から設けられているため、正確に把握し遵守する必要があります。条文をしっかりと確認していきましょう。

※当記事は令和3年度の報酬改定時に発表された「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害者支援施設等の人員、設備及び運営に関する基準について【新旧対照表】」を参考に作成しています。法解釈は運営している市区町村によって変わる可能性がありますので、事業を実施する地域の管轄市区町村にご確認いただきますようお願い申し上げます

本記事の結論

 就労支援事業所の定員超過は「1日あたり」と「3ヶ月平均」で異なります。基準内であれば超過は認められますが、本来、定員の超過はやむを得ない理由があれば認められるもののため、予め超過を計算して障害者を受け入れる体制には注意が必要です。

就労支援事業所における定員とは

 就労支援事業所は、開業時に定員数が決まっています。一般的には20名定員の事業所が多いです。事業所の定員は基準第43条に規定されています。記載内容は以下の通りです。

第四十三条

指定障害者支援施設等は、施設障害福祉サービスの種類ごとのそれぞれの利用定員及び居室の定員を超えて施設障害福祉サービスの提供を行ってはならない。ただし、災害、虐待その他のやむを得ない事情がある場合は、この限りでない。

 記載の内容からも、定員数を超えて事業所内で障害者支援を提供することは例外的な対応です。定員を超過してサービスを提供するためには、やむを得ない事情について記録などを残しておく必要があります。

 超過可能な人数は、定員数や入所施設・通所施設で変わります。今回は20名定員の就労支援事業所という前提で記載いたします。

  • 1日あたりの超過人数
    定員数の50%まで
    つまり20名定員の場合は、やむを得ない事情があれば30名まで超過することが可能
  • 3ヶ月平均の超過人数
    過去3ヶ月の述べ利用者数を開所日数で除して算出される1日あたりの平均障害者数が、定員の25%まで
    つまり20名定員の場合は25名まで支援することが可能

実務におけるポイント

 定員超過は事業所内で支援を実施している場合に適用される考え方です。よって、施設外就労やトライアル雇用制度を活用した場合には、事業所の管理のもとで施設以外で支援を行ったことになります。この場合には、事業所内の障害者数にはカウントされません。一般的に施設外就労の人数は、事業所の定員数まで認められるので、1日の最大支援人数は以下の計算式で成り立ちます。

[就労支援事業所における1日の最大支援人数]=[定員数]×150%+[最大施設外就労人数(定員数)]

よって20名定員の事業所であれば、1日の最大支援人数は45人となります。

まとめ

 就労支援事業を経営するにあたり、通所利用者が多ければ多いほうが良いのは当然です。しかし、一部の就労支援事業所では、定員の超過を前提として障害者を受け入れているケースも見られます。定員の超過にはルールがあり、本来はやむを得ない事情が無い限り取り組んではならないものとされています。実地指導等で、行政より照会があった場合には、しっかりと回答できるように準備を進めておきましょう。

 就労支援事業運営.comでは、国内で就労支援事業所の開業・運営支援を行っております。興味のある方は、お問い合わせください。最後までご覧いただきありがとうございます。 

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参考資料

厚労省HPより

https://www.mhlw.go.jp/content/000762248.pdf