【制度理解】就労支援事業所における非常災害対策について(令和3年新設ポイントあり)

法理解

【制度理解】就労支援事業所における非常災害対策について

 こんにちは!就労支援事業運営.com、管理人のまつやんです。国内で、就労支援事業所の開業・経営支援を行っています。今回は制度理解のコーナーです。障害者総合支援法の条文とその解釈に関する基準を含め、丁寧に確認していきましょう。

 今回は就労支援事業所で実施される非常災害対策についてお伝えいたします。令和3年度の法改正等で追加された文言もありますので必読となっております。是非ご確認ください。

※当記事は令和3年度の報酬改定時に発表された「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害者支援施設等の人員、設備及び運営に関する基準について【新旧対照表】」を参考に作成しています。法解釈は運営している市区町村によって変わる可能性がありますので、事業を実施する地域の管轄市区町村にご確認いただきますようお願い申し上げます

本記事の結論

 就労支援事業所は新規指定時に消防からの指導に遵守して設備基準を定めます。これらは指定後も遵守されるます。さらに、実際に障害者を交えた避難訓練の定期実施など、具体的な非常災害の対応行う必要があります。

就労支援事業所における非常災害対策とは

 基準第44条に規定されています。同条には以下のポイントが記載されており、就労支援事業の実施運営にあたり遵守する必要があります。

  • 非常災害に備えて必要な設備を設ける必要がある
  • 定期的に避難・救出、その他必要な訓練を実施しなければならない
  • 訓練などは地域住民の参加が得られるよう連携に努めなければならない

 令和3年度の基準より、地域住民との連携に関して以下のような補足記載があります。

(要約)

 訓練は、地域住民に参加いただくことにより、より実践的に進めることができる。そのため、日頃から地域住民と連携する体制を構築することが望ましい。また、訓練の実施にあたっては消防関係者の参加を促すことで専門的な知見で指導・アドバイスを受けることができる。

実務上のポイント

 当該項目を実務で運用する場合、以下がポイントになります。

  • 避難訓練の実施計画を作成
  • 事業所の住所にもよるが、避難訓練の実施について地域住民にアナウンスを行う
  • 避難訓練の実施に向けて地域の消防局予防課等に実施監督の依頼を行う

 就労支援事業所は、年に1回以上避難訓練を実施し、実施記録を残しましょう。地域の消防局のHPには、避難訓練を実施する上での留意事項や確認ポイントが記載されています。これらをチェックリスト化し、実際に避難訓練を実施するなか、達成度をチェックすることが望ましいです。

 ただし、障害者の中には、避難訓練の実施により過度に緊張しパニックになる特性の方もいらっしゃいます。実施に向けて、障害者個々人のアセスメント結果を踏まえ懸念事項が無いか検討する必要があります。

 地域によっては、社会福祉事業を営んでいる法人の避難訓練に消防局の職員が参加し、必要な指示・指導に関するフィードバックをいただける事例があります。事業所の所在地に近い消防局に連絡し、避難訓練の協力可否について相談してみると良いでしょう。

まとめ

 障害福祉サービスを活用する障害者の中には、移動能力が低下している方もいらっしゃいます。事業者側は、不測の事態に備えて、災害発生時の対応方法を規定し、従業員に周知徹底を図ることが必要不可欠です。これらは基準にも規定されているため、事業所内で必ず実施するとともに、地域住民や消防局とのコミュニケーションのきっかけにするなど、2次的には地域連携の強化につながります。是非積極的に取り組んでいただければと思います。

 就労支援事業運営.comでは、国内で就労支援事業所の開業・運営支援を行っております。興味のある方は、お問い合わせください。最後までご覧いただきありがとうございます。 

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参考資料

厚労省HPより

https://www.mhlw.go.jp/content/000762248.pdf