【制度理解】就労支援事業における「運営規程」の基準に令和3年から追加された項目

法理解

【制度理解】就労支援事業における「運営規程」の基準に令和3年から追加された項目

 こんにちは!就労支援事業運営.com、管理人のまつやんです。国内で、就労支援事業所の開業・経営支援を行っています。今回は制度理解のコーナーです。障害者総合支援法の条文とその解釈に関する基準を含め、丁寧に確認していきましょう。

 今回は運営規程についてです。基準の新旧対照表には、運営規程の項目に新設された補足情報があります。これから開業を検討されている方は内容をしっかりと確認しましょう。 

※当記事は令和3年度の報酬改定時に発表された「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害者支援施設等の人員、設備及び運営に関する基準について【新旧対照表】」を参考に作成しています。法解釈は運営している市区町村によって変わる可能性がありますので、事業を実施する地域の管轄市区町村にご確認いただきますようお願い申し上げます

本記事の結論

 令和3年度の基準の新旧対照表には、運営規程について2点新設された解釈があります。1つ目は従業者の職種、員数及び職務の内容の部分で、柔軟な人数表記が可能となった点です。2つ目は虐待防止に関する委員会の設置が必要という点です。

就労支援事業所の運営規程の改定とは

 基準第41条に記載があります。

 令和2年まで運営規程にいかの項目を定める必要があると記載されています。

  1. 指定障害者支援施設等の目的及び運営の方針
  2. 提供する施設障害福祉サービスの種類
  3. 従業者の職種、員数及び職務の内容
  4. 昼間実施サービスに係る営業日及び営業時間
  5. 提供する障害福祉サービスの種類ごとの利用定員
  6. 提供する施設障害福祉サービスの種類ごとの内容並びに支給決定障害者から受領する費用の種類及びその額
  7. 昼間実施サービスに係る通常の事業の実施地域
  8. サービスの利用に当たっての留意事項
  9. 緊急時等における対応方法
  10. 非常災害対策
  11. 提供する施設障害福祉サービスの種類ごとに主たる対象とする障害の種類を定めた場合には当該障害の種類
  12. 虐待の防止のための措置に関する事項
  13. その他運営に関する重要事項

 令和3年度から適用される新旧対照表には、以下の点について情報が新設されています。

  • 従業者の職種、員数及び職務の内容
  • 虐待の防止のための措置に関する事項

実務上のポイント

 新設された2項目の内容を確認し、運営規程の条文を見直しましょう。

従業者の職種、員数及び職務の内容

 新設された基準を要約すると以下の通りとなります。

 ”従業者の員数は日々変わりうるものであるため、人員基準を満たす範囲で「○人以上」と記載することも差し支えない”

 従来、当該項目には各職種の員数を正確に「○名」と記載する必要がありました。これは不要となり、人員の配置基準を満たす範囲で「○人以上」という記載が可能となります。

虐待の防止のための措置に関する事項

 従来は、当該項目には以下の内容を記載する必要がありました。

  1. 虐待防止に関する責任者の選定及び設置
  2. 成年後見制度の利用支援
  3. 苦情解決体制の整備
  4. 従業者に対する虐待の防止を啓発・普及するための研修の実施

 この内容に追加して、「虐待防止のための対策を検討する委員会の設置」が必要な項目となります。尚、虐待防止委員会で実施される定期ミーティングはオンラインによる手法で実施しても差し支え無いとされています。

まとめ

 就労支援事業所の運営をとりまく制度は、定期的に見直されます。特に「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害者支援施設等の人員、設備及び運営に関する基準」には、事業所運営上の留意点や、新規開設時に把握しておく必要のある事項も記載されています。十分に理解することでスムーズな開業につなげることも可能です。これから開設を検討される方は、ぜひ一度ご確認いただければと思います。就労支援事業運営.comでは、国内で就労支援事業所の開業・運営支援を行っております。興味のある方は、お問い合わせください。最後までご覧いただきありがとうございます。 

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参考資料

厚労省HPより

https://www.mhlw.go.jp/content/000762248.pdf