私が所属していた就労支援事業所では、利用者のケース会議が機能していませんでした。
ケース会議であるのに、ご利用者様のフィジカル、メンタル、スキル、ADL、IADL、QOL、コミュニケーション等のアセスメントや、目標立案についての話ではなく、経験のある支援員による「武勇伝」を聞く場になっていた印象です。
しかし、ある考え方をスタッフ全員で意識するようになってから、事業所のケース会議が大変密度の高い時間となりました。
その思考法こそが、「ロジカルシンキング」です。
ロジカルシンキングには、「帰納方(きのうほう)」と「演繹法(えんえきほう)」の2種類があります。
結論、就労支援事業所で実践すべきは演繹法です。
以下がそれぞれの考え方になります。
帰納法とは
個々の具体的な事例をあげることで、結論を導く考え方のことを言います。
例)
「すずめは空を飛ぶ」、「カラスは空を飛ぶ」、「ハトは空を飛ぶ」
結論「鳥は空を飛べる」
帰納法のポイントとしては、相手を納得させることができる程の情報量が必要です。
注意点としては、的を得た反対意見が出たときに、意見が止まってしまうことにあります。
例)
「すずめは空を飛ぶ」、「カラスは空を飛ぶ」、「ハトは空を飛ぶ」
結論「鳥は空を飛べる」
→「ペンギンは空をとばないよ?」
→「・・・。」
このような場合に、補足や前提の見直しが必要となる点が注意となります。
演繹法とは
これは、
A=B
B=C
つまり、A=C
という考え方になります。
帰納法と比べて、結論となる根拠が含まれるため、揺るぎない説得力を持ちます。
注意点として、上記の例)で言うA=B、B=Cの事柄は、経験則等ではなく、明確な根拠を基に進めて行かなければなりません。
ケース会議での注意点
これらは「思考法」であり、個々が会議で発言をする際に意識すべき事柄です。
これに加えて会議の進め方に注意しなければなりません。
ポイントとしては、
- 書記を設けて頭の中の言葉を文字に起こし、全体に共有すること
- 事前アジェンダを作り、個々の意見を抑えておくこと
- ブレインストーミングの手法を活用し、意見を出し合うこと
- 問題点は「イシューツリー」という手法を活用し、細分化することでアクションプランまで立案すること
これらが重要です。
少しルールを決めて、意識を変えるだけで会議の生産性がとてつもなく向上します。
是非実践してみてください。
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