就労支援事業で、近年注目されている講義の一つに「アサーションテクニック」があります。
仕事を断る!せっかくのお誘いを断る!なんて時にも活用できる、「アサーションテクニック」について簡単にまとめて見たいと思います。
仕事を断るときにも使える!「アサーション」を身につけるメリット
- 自分の仕事が整理でき、ストレスが軽減される
- 組織が効率よく回る
- 上司から、「仕事ができるやつ」と印象を持ってもらえる
仕事を断るときにも使える!「アサーション」を勉強するべき人
- 気がついたら仕事が溜まっている人
- サービス残業が当たり前になっている人
- 上司からの仕事依頼を断ることができない人
仕事を断るときにも使える!「アサーション」 とは?
仕事を行う上で、やるべき仕事(タスク)は整理する必要があります。
しっかりと予定を立て、優先順位を決めて進めていくことが大切です。
「今日はこのスケジュールだ!頑張ろう!」
そんな日に限って上司から予想外の別の仕事の依頼が入ることは、よくあります。
内容を聞いてみたら、「それ、私じゃなくても良いのでは?」と思うことも多々あります。全て受け入れてしまったら、自分がパンクしてしまいます。
そこで重要なのは、仕事を断る力です!
もちろん、ただ単に「嫌です」とは言えません。
自分が断る理由をしっかりと説明し、かつ、相手を傷つけないように話してみましょう!これがアサーション(又は「主張的反応」)と言われるコミュニケーションのとり方です。
仕事を断るときにも使える!「アサーション」 を意識した断りの手順
以下の手順が必要です。
前提:仕事の管理方法
- 優先順位をA・B・Cで決める
- 優先度が高い順にタイムスケジュールに入れる
上司に仕事を依頼され、断りたい時
- 誠意を持って謝罪
- 自分のスケジュールを伝えた上で断る理由を述べる
- もし、その仕事を引き受けた場合に、想定される状況について伝える
以下、それぞれの工程を解説します。
前提条件については、タスク管理の方法なので、改めて別の記事にしたいと思います。
【仕事の断り方ステップ1】誠意を持って謝罪
上司はなぜ、あなたに仕事を依頼してきたのでしょうか?
別に上司は、あなたをいじめたくて仕事を依頼してきたわけではありません。
あなたに頼みたい理由があったのです。
もし、あなたが「この仕事は断りたい」という結論であるならば、誠意を持って謝罪しましょう。
【仕事の断り方ステップ2】 自分のスケジュールを伝えた上で、断る理由を述べる
もちろん、あなたが仕事を断る理由も、別に「めんどくさいから」というわけではありません。
仕事を断るのは、「その他に優先すべき課題があり、この仕事が終わらないことで、会社に不利益が発生する」と考えているからです。
そうです。この場合、上司もあなたも、「会社のために」という目的が一致していることにあります。
そこで、先ずは仕事を依頼してきた上司に対して、
今日自分が行う予定のスケジュールを伝え、
元々予定してる仕事を優先して実施したい理由を伝えましょう。
【仕事の断り方ステップ3】もし仕事を引き受けた場合に起こりうる事態について伝える
本来、ステップ2の時点で、上司はあなたが予定している仕事と、今回依頼しようとした仕事のどちらを優先するべきかを判断してくれます。
そうすると、
「そうか、では君の仕事を優先して進めてくれ。この仕事は別の者に声をかけるよ」
または、
「そうか、では君が予定している仕事は明日に回してもらって大丈夫だ。この仕事の方が優先度が高いので、協力してもらえるかな?」
と指示をもらえるはずです。
しかしながら、中には、
「そんな事言わずにやってくれよー。他に頼める人がいないんだよー。君には期待しているからさ!」
というように、漠然とした理由で仕事を押し付けてくるケースもあります。
これを毎回聞いてしまったら、ただの「頼みやすいやつ」になってしまうわけです。
こういうときは、引き受けた場合に考えられる事態をしっかりと説明を受けて、決裁をもらいましょう。
例)「ご相談いただきありがとうございます!もしこのタスクを今日中に実施する場合、○○と○○のタスクは明日以降の対応となります。このタスクは、お取引先の○○様が関係するので、早めに進め、○○部長の添削をもらいたいと考えています。その方が、書類も整備されて、○○様に迷惑がかからないとも思います。もし、どちらのタスクも本日中に進めた方がいいのでしたら、1時間の残業が必要ですが、本日取得してもよろしいでしょうか?」
というように、具体的にリスク要因を伝えて、その打開策や、実施する上での提案も含めて上司の判断を伺うことが重要です。
注意点
この手法は、自分が仕事を断る理由を正当化する目的ではありません。
自分を頼りにしてくれる方の気持ちを傷つけることなく、仕事を断るためのコミュニケーションの方法です。
繰り返しになりますが、会社に所属している人は、全員会社のために仕事をしています。(しているはずです。)
上司は、部下の業務状況を理解し、適切な依頼をかけるものですが、完璧な上司などおりません。
あなたは、上司に対して正確に現状を伝えて正しい判断を下してもらうアシストをする必要があるということです。
さいごに
アサーションは、組織内でのコミュニケーションを円滑にし、自分自身を守るためにも大変重要なテクニックです。特に、精神障がいや発達障がいの傾向にあり方は、なかなか自分の意見を正確に伝えることができない場面があります。
先ずは、自分のタスクを整理し、優先順位を立てて、スケジュールに反映しておくということが大切です。
そのスケジュールは、仕事を断りたい場面で、依頼者と共有することで、「雑に断られた」という印象ではなく、「それは仕方ないな」という気持ちにコントロールすることができます。
就労支援事業所に通所するご利用者様には、就職前にこのテクニックを学んでいただくことが大変重要です。
是非、訓練プログラムの一環でアサーションを取り入れて見てはいかがでしょうか?
参考になる文献のリンクも張っておきますので、気に成る方は御覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
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