就労支援事業所を効率的に運営!ペイオフマトリックスで意思決定!

フレームワーク紹介

就労支援事業の意思決定でも使えるペイオフマトリックスとは?

 こんにちは!就労支援事業運営.comの管理人です。関東を中心に、就労支援事業の開業・運営サポートを行っております。

 今回は就労支援事業の開業・運営でも使えるフレームワークをご紹介いたします。フレームワークは一言で、「論理的に意思決定するツール」と表現することができます。

 就労支援事業所で仕事をすると、毎日沢山の仕事に追われて、なかなか障害者支援に時間を割けないことが多いですね。ソーシャルビジネスは、国の税金で運用されているため、日々の業務にも細かい要件があります。ちょっとした対応にも「記録、記録、記録、、、」と煩雑です。ペイオフマトリックスは今はどの業務の時間を確保することが得策なのか、思考を整理するときも使うことができます。

 以下に使い方や使う場面を記載いたします。

ペイオフマトリックスをどんなときに使えるの?

  • 物事の選択肢が複数存在し判断に迷うとき
  • 優先課題を明確にしたいとき
  • 各アイディアや課題の特性を見える化したいとき

ペイオフマトリックスのメリット

  • 職員の全アイディアを踏まえて検討するため、職員に施設への所属感を感じてもらえる
  • 論理的に結論を導くことができる
  • 優先課題が見える化されて結論に納得感が出る

ペイオフマトリックスの全体像

 このペイオフマトリックスは、ある議題に対して上がった選択肢を、2つの軸でエリアを分けて判断するものです。

画像はペイオフマトリックスの全体を表したものになります。

 何かを決定する際に複数の選択肢が出てきたら、次に共通する軸となる2つの考え方を明確にします。この2軸でマトリックスを組み、各選択肢を配置することで優先順位が明確となり意思決定につながります。

ペイオフマトリックスの使い方

就労支援事業所の日々の業務で考えてみましょう。例えば、就労支援事業所の中で利用者が転倒して怪我をしました。緊急の職員会議を実施して、再発予防策を議論します。

 最初に、「今回生じた事故に対して原因と対策は何か?」と問われ、10分間で可能な限り意見を出しました。

●出た意見

  1. 床の改修
    床の改修事業所の床が滑りやすいため、改修が必要
  2. 座席の変更
    転倒した障害者は軽度の歩行障害がある、そもそもリスクがあると考え職員の近くに配置を変える
  3. 職員の増員
    職員が障害者の成果物に入っていたためフロア全体を管理できていない、フロアを監視する役割の職員を1人配置する必要がある
  4. レイアウト変更
    障害者はトイレに行きたいときに動線が狭くて方向転換で滑ったということ、各障害者からトイレまでの動線を見直して有効幅を確保する必要がある

 では、何が最優先でしょうか?経営判断として、先ずは「低コスト」であり、「再現性が高い」ものを優先したいと考えます。「コスト」と「再現性」で2軸を引いてみましょう。

次に各選択肢をマトリックスに振り分けてみます。最初はざっくりとした認識で大丈夫です。

 話し合いの結果、最初に座席の変更を優先的に行い、再発防止を図ることになりました。レイアウト変更は、再現性と作業への影響(コスト)に疑問が出たため、床の改修コストを下げる方法を検討することになりました。

留意点

  • 先ずは意見や選択肢を複数出す必要がある(ブレスト)
  • 全職員が何かしら選択肢を出せるようにファシリテーターは配慮する
  • フレームワークの使用時に他者の意見を否定しない
  • 軸となる考え方は組織のリーダーが決める

 人間誰でも、自分が出したアイディアというのはかわいいものです。他者から否定されるとモチベーションが低下するリスクがあります。ペイオフマトリックスは、チームで実施することで全選択しを平等に判断できるため、職員のマネジメント効果も期待できます。

まとめ

 フレームワークは、日常の何気ない場面で簡単に使えるものと感じていただけたかと思います。ペイオフマトリックスは、軸の項目をかけると結論が変わることもあるので、会社経営者やリーダーが、基本となる考え方をしっかり示す必要があります。職員が納得して、日々の業務に臨んでもらえるように進めていきましょう。

 フレームワークを活用した、従業員向け研修をサポートしています。関心のある方はお問合せください。

 最後までご覧いただきありがとうございました。