【研修】10種類のパーソナリティ障害を理解する

基本スキル

【研修】10種類のパーソナリティ障害を理解する

 こんにちは!就労支援事業運営.com、管理人のまつやん(@kanematsu_redef)です。国内で、就労支援事業所の開業・経営支援を行っています。近年、障害者総合支援法の制度変更の傾向により、職員の資質向上や事業所としての福祉貢献度が事業所評価に直結するようになりました。「研修」シリーズでは、障害者と接する支援者が知っておく必要がある障害者に関する知識を発信していきます。

本記事は誰に向けて書いている?

  • 障害者と関わった経験が少ない方
  • 「解離性障害」について知識を深めたい方
  • 医療と福祉の連携に重要性を感じている方

 今回は、「パーソナリティ障害」について学んでいきたいと思います。世界的に沢山の研究が進められているパーソナリティ障害。まだまだわからないことが多い障害です。しかし、その傾向や特徴に合わせて様々な種類が定義されています。パーソナリティ障害の病態を知ることで、就労支援事業所としての関わり方を一考する機会になると考えています。是非最後まで御覧ください。

パーソナリティ障害とは

 「パーソナリティ障害」とは、思考や感情、行動などの「パーソナリティ」が他者と著しく偏っていて、社会生活や職業生活に支障をきたしている状態です。パーソナリティは、人間誰しもが持っている「個性」そのものです。この個性が極端であり、臨機応変に対処できないがために、日常生活に支障をきたしている状態がこの病気の特徴です。

 精神障害の国際分類であるDSM-Ⅴには、10種類のパーソナリティ障害が存在しています。本来、中等度の症状が出現し、時間の経過とともに軽減していきます。しかし、重度の場合、長期に渡り症状に苦しむケースもあります。

 パーソナリティ障害を診断される人は、統合失調症や気分障害、不安障害などの他の精神障害と症状の一部が重なることがあります。しかし、極端な思考等の性質を持っていても、「完全に異常」とは言えないことも特徴であり、他の精神障害とは性質がことなっています。

常 
ナ 章 
安 害 
気 分 障 
統 合 失 
調 症

パーソナリティ障害の種類

 パーソナリティ障害は、その特性から3つのグループに分けられています。それぞれの特徴を見ていきましょう。

Aグループ

 Aグループは、奇異で普通でない行動が特徴となるパーソナリティ障害が割り振られます。以下の3つが当てられます。

妄想性パーソナリティ障害

 「自分は騙されている」「自分は利用されている」というような疑惑により、他者を疑い、時に攻撃的な対応を取ってしまう状態。

ジゾイドパーソナリティ障害

 孤独を優先し、友人がいないことや他者からの評価に関心がない状態。

失調型パーソナリティ障害

 独特の信念や魔術的な思考により、独特な言語パターンがある状態。

Bグループ

 Bグループは、派手で突飛な行動が特徴となるパーソナリティ障害が割り振られます。以下の4つが当てはまります。

境界性パーソナリティ障害

 不安定で激しい対人関係が特徴。相手をコントロールしようとする行動があり、自分の理想に当てはめたり、徹底的に非難したりすることが揺れる。浪費や性行為を含む衝動的な行動、自殺、自傷行為などを行うことがある。

演技性パーソナリティ障害

 人の注意を引きたい欲求にかられている状態。性的に誘惑する行動や大げさに芝居がかった行動が見られる。

自己愛性パーソナリティ障害

 自尊心が強く、賞賛を好む。自分の価値について過大評価(誇大性)する特徴がある。

反社会性パーソナリティ障害

 違法行為を繰り返す状態。人を騙し、嘘をつくことが習慣化しており、時に衝動的に苛立ちや攻撃性が見られる。

Cグループ

 Cグループは、不安・恐怖に関連する行動が特徴となるパーソナリティ障害が割り振られます。以下の3つが当てはまります。

回避性パーソナリティ障害

 自己にまつわる不安があり、拒絶されることを恐れるあまり対人との接触を回避する状態。

依存性パーソナリティ障害

 他人への過度な依存により自分で物事を判断できない。自分の支持を失うことを恐れるため、反対ができない状態。

強迫性パーソナリティ障害

 こだわりが強く融通が効かない。友人や家族との関係を犠牲にしてまで仕事にのめりこみ、完璧主義な特徴を示す。

就労支援事業所での考え方

 パーソナリティ障害は、様々なパーソナリティの特徴が日常生活に苦痛を与えている状態です。苦痛の程度により、就労にも影響を及ぼします。治療には、薬物療法と心理療法が用いられます。まずは苦痛の軽減を目指すため、薬物療法が選択されます。

 就労支援事業所の活動に影響をもたらしている場合、時に服薬の調整が必要になるかも知れません。影響度合いに応じて、障害者本人の許可を得た上で、主治医に現状の共有を行うことが望ましいです。

 もし本人が希望する場合には、精神療法が選択されます。精神療法が実施されている場合は、精神療法の担当者と現状課題や設定目標に関わる情報を共有することで、就労支援事業所の個別支援計画書に活かすことができます。積極的に関係者と情報共有を行うように心がけましょう。

まとめ

 パーソナリティ障害は、個々の個性が特出し、日常生活や就労場面に支障をきたしている状態です。ただし、現在の多様性が尊重される社会では、「個性を社会に合わせる」ことよりも「個性に合った社会を見つける」という対応の方がスムーズかもしれません。社会に適合できず、苦痛を伴っている状態に対して、まずは苦痛の原因を理解しましょう。次に、本人の個性に合った社会環境を開拓することが、支援機関に取って重要な対応ではないかと感じます。

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