【制度理解】就労支援事業所における職場への定着のための支援の実施について

法理解

【制度理解】就労支援事業所における職場への定着のための支援の実施について

 こんにちは!就労支援事業運営.com、管理人のまつやんです。国内で、就労支援事業所の開業・経営支援を行っています。今回は制度理解のコーナーです。障害者総合支援法の条文とその解釈に関する基準を含め、丁寧に確認していきましょう。

 紹介するのは就労移行支援事業所で提供される「職場への定着のための支援」についてです。一般就職後に提供される定着支援ですが、運用方法のポイントは基準にしっかりと記載されています。自社施設で定着支援を提供している方や、これから就職者を送り届ける施設は確認いただければ幸いです。

※当記事は令和3年度の報酬改定時に発表された「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害者支援施設等の人員、設備及び運営に関する基準について【新旧対照表】」を参考に作成しています。法解釈は運営している市区町村によって変わる可能性がありますので、事業を実施する地域の管轄市区町村にご確認いただきますようお願い申し上げます

本記事の結論

 就労移行支援事業所や継続支援事業所が提供する定着支援は、最低6ヶ月間実施します。もし障害者本人が希望しない場合でも、同期間は計画相談支援事業所や関係機関等と必要な調整に努める必要があります。

就労支援事業における定着支援とは

 就労支援事業所を活用して、企業等に一般就職した障害者に対して、6ヶ月以上提供される職場への定着を目的とした連携・相談支援のことを言います。

 基準第32条に規定されています。

 就労支援事業所は、定着機関において、障害者就業・生活支援センター(いわゆる「なかぽつ」)等と連携し、障害者が職場に定着するための課題や心境の変化など継続的に確認し、必要に応じて職場や家庭に訪問することで適切な相談支援を行うこととしたものになります。

 7ヶ月目以降は、障害者本人の希望によって指定就労定着支援事業所に移行することが可能です。この場合は、当該就労支援事業所は、定着支援事業所と連絡調整に努める必要があります。

実務上のポイント

  • 一般就職直後の6ヶ月は障害者本人の希望に関係なく定着支援を実施する必要がある

 障害福祉サービスの提供は、障害者本人の希望を第一尊重されるものとお伝えしています。しかし当基準には定着支援を障害者本人の希望に関わらずに提供するものと定めています。これは、定着支援が障害者本人に対する相談等に限定されるものではなく、特定計画相談支援事業所、なかぽつ、企業、医療機関など、障害者を支援する周辺機関との情報共有も定着支援の一環とされているからです。この点を踏まえて、一般就労後のフォローアップ体制について、事前にどの機関と連携するか、方針を定めて運用する必要があります。これから定着支援に取り組まれる事業所は確認いただければと思います。

まとめ

 就労移行支援事業所にとって、就労定着は極めて重要です。なぜなら、国が求める就労移行支援事業所の役割として、就労を続けられる障害者の輩出だからです。当然、定着実績は経営メリットに直結します。企業努力が試されるポイントでありますが、先ずは基準の内容を理解したうえで適切な運用に努めていただければと思います。

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参考資料

厚労省HPより

https://www.mhlw.go.jp/content/000762248.pdf