【番外】就労支援事業における施設の設備基準を理解する

就労支援事業所開業マニュアル

【番外】就労支援事業における施設の設備基準を理解する

 こんにちわ!就労支援事業運営.comの管理人です。国内で、就労支援事業所の開業・運営支援を行っています。前回、人員基準についてご紹介させていただきました。就労支援事業所を開業する場合、国の認可を受ける必要があります。そのためには、国が定める各種の基準を満たす必要があります。

 人員基準は、施設が障害者に対して適正な支援を提供するために最低限必要であるマンパワーを考慮して整備されたものになります。同じ目的で「設備基準」というものがあります。今回は設備基準について考えてみましょう。

知識は大丈夫?基準に違反するとどうなるのか?気になる方はコチラも確認

就労支援事業における設備基準とは

 就労支援事業を適切に運営するために、用途を明確にした施設レイアウトが必要です。例えば、就労支援事業所は障害者の病歴や、既往歴、進路など極めて重要な個人情報を扱います。万が一にも、障害者の私的な情報を漏洩するようなことがあってはなりません。そのためには、国の認可基準として個人情報をしっかりと保護する観点の役割を担ったスペースが必要になります。このように、実際の運営をイメージして、設備基準は設けられています。

設備基準に違反するとどうなる?

 人員基準と重複しますが、万が一基準を違反していると、以下の流れで行政対応が行われます。

実地指導→監査→勧告→命令→指定取り消し等

 ただし、設備基準の違反により指定取り消しとなる事例はあまり聞きません。これは、施設設備は人員配置基準の様に流動的なものではないからと考えられます。ただし、悪質性が高い基準違反は当然処分に該当する可能性があります。うっかり基準違反を犯していないよう、注意いただければと思います。

就労支援事業所における設備基準の内容

 各設備とその要件を以下に記載いたします。

場所要件
訓練室 作業室 訓練等に支障をきたさない広さを有していることが条件となる。一つの目安となる広さは、障害者ひとりに対して3.3㎡(ただし、管轄の指定担当窓口によって広さの解釈が異なる可能性あり)が必要。 例)定員20名:3.3㎡×20人=66㎡
多目的スペース 訓練室とは別に多目的に活用するスペースが必要です。ただし、他のスペースと兼用が可能など、管轄の指定担当窓口によって解釈が異なる可能性があります。(広さの基準も同様)
相談室 しっかりと壁で仕切られた相談スペースを確保する必要があります。ただし、仕切りの考え方が地域により異なることがあります。例えば、据置式のパーテーションや、天井が空いていても大丈夫という地域もあります。広さの考え方として、「机やいすを設置して2~4人が同時に相談業務を行える程度」という目安基準があります。
洗面所・トイレ特段明確な規定がない中、地域により以下のような要件が加わっている場合があります。 男女別々の個室 身体障害者を受け入れる場合にはバリアフリーで車いすでも活用できるようになっている トイレと洗面所が隣接している
その他 地域独自で必要となる基準が整備されている場合があります。例えば、上記とは別に「静養室」が必要な地域もあります。

指定申請時の要件

 就労支援事業所として許認可を取得する場合、物件については以下のような項目も満たしている必要があります。

  • 検査済証が取得できる
  • 建築確認済証が取得できる
  • 大家や近隣住民の理解を得られる
  • 賃貸借契約の利用用途が「障害福祉サービス事業」である
  • 行政の用途地域として福祉施設の開設が認められている
  • 物件の図面を用意できる
  • 防火開始届を取得できる
  • 防火対象物使用開始届出書を取得できる
  • 特定防火対象物の物件か

 その他、物件により要件が増える可能性があります。十分に理解しないまま物件を契約してしまい、追加工事で数百万の支出とならないように注意が必要です。

留意点

 就労支援事業で活用する物件を探す段階で設備要件はすべて把握している必要があります。なぜなら、初期費用が大きく変化するポイントであるからです。就労支援事業などの、いわゆる「箱もの」ビジネスは、内装関連工事や各種法令を満たすための追加工事などで費用が大きく発生します。このようなことを防ぐためには、開業に知見のある業者のサポートを受けることをおススメします。

まとめ

 就労支援事業のようなソーシャルビジネスを運営するためには、各種要件を明確に理解する必要があります。うっかり「知らなかった」で大きなダメージとならないよう十分にご留意いただければと思います。

 就労支援事業運営.comでは、就労支援事業所の新規開業をサポートしています。物件選定や、前述の各要件をまとめたハンドブックを配布していますので、関心のある方はお問い合わせフォームよりご連絡ください。

 最後までご覧いただきありがとうございます。