【現場の本音】就労支援事業所の新規開設・新規設立オーナー必見!準備の前にこれをみて!

サービス管理責任者

【現場の本音】就労支援事業所の新規開設・新規設立オーナー必見!準備の前にこれをみて!

かねやん
かねやん

「取材シリーズ」では実際に障害福祉サービスに関わる皆様に、現場で働いた事がある人にしかわからない、リアルな情報を発信しています!

みつい さちこ(サービス管理責任者・就労支援員)

 金融機関やメーカーなど、企業の勤務を約25年経験。その後、就労支援事業所に勤務する。就労支援員やジョブコーチなど、対企業向けの業務を提供する一方、これまでの社会人スキルを活かして「福祉の業務効率化」について知見を深める。

かねやん
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これまで長く就労移行支援事業に関わって来られたみつい様を取材しました。福祉事業所として煩雑になりやすい事務作業の効率化に成功。日々生産的な業務を実現しています。

就労支援事業所としてどうすれば業務効率化を実現できるのか?

そのポイントをお話しいただきました。

インタビュー内容

これまでのご経歴を教えてください。

金融機関~一般企業などを経て福祉の業界に飛び込みました。

 金融機関を25年(総務、経理、営業、管理)、メーカー6年(総務、営業、人事、経理、秘書)、その後福祉の業界へ飛び込みました。

 金融機関やメーカーでの業務は完全な事務職であったため、業務効率化が極めて重要な課題です。ここでの経験が、就労支援事業所の業務をより効率的に進めることにつながっています。

就労支援事業所では、主にどのような業務を行っていましたか?

4つの職種を経験しました。

[経験した職種]

  • 生活支援員
  • 職業指導員
  • 就労支援員
  • ジョブコーチ支援

 常に複数のご利用者様と関わります。当然、支援内容は常に書類にする必要があります。毎日支援記録を残すだけでなく、アセスメントや個別支援計画の1次作成、企業との連携内容など、記録の量は膨大です。

就労支援事業所を運営する中で、意識する必要がある業務効率のポイントはどのような点でしょうか?

「リアルタイム共有」と「業務の透明化」です。

 就労支援事業所を開設し、安定して運営するためには、「情報のリアルタイム共有」「業務の透明化」は重要です。

業務効率化のポイントを遵守するために必要となる環境は?

「システム」と思われがちですが、もっと大切なことがあります。

 業務効率化のポイントは、以下だと思っています。

  • 報告連絡相談のスキルを上げる事
  • スタッフの情報共有への意識向上
  • コミュニケーションスキルの向上

 一般的に、業務効率化を実現するためには、「システムが必要」と思われがちです。これは大きな落とし穴です。いくら、優秀なシステムを導入したとしても、それを使いこなす職員の意識が伴っていない場合、全く機能しません。

 これから就労支援事業所を開設したいと考える経営者は、いきなりシステムを導入するのではなく、現場の課題に合わせてタイムリーな機能を備えていただくほうが理想です。

みつい様にとって、なぜ「業務効率化」が必要だと感じますか?

職員のモチベーションに繋がります。

 業務効率化は必要です。時間短縮により、職員のモチベーションアップにつながります。結果、相互理解やすれ違いを防ぎ、良好な人間関係を構築していく事ができ、風通しのよい社内の雰囲気になります。

 そうすることで、事業所の経営も安定し、一人一人の精神的な満足感安心感につながっていき、それぞれの生活の質の向上にもなります。これは離職率の低下にもつながりますますので人材の確保に時間をかける必要が少なくなってきます。

一般的に、新しいシステムやツールを導入することについて、慣れていない方も多いと思います。どうすれば現場の理解を得て、新しい仕組みを導入できるのでしょうか?

決裁者からの、現場への働きかけ次第です!

 新しいものや仕組みを導入する際は、真っ向からアレルギーを起こす方も多いと感じます。これには、新しいものを導入することを決めた決裁者の努力次第で変わる部分があります。

 以下の内容を現場に説明することが大切です。

  • 使用前の課題
  • 使用後の変化予測
  • 達成したいゴール
  • 職員へのメリット
  • 利用者へのメリット

 これらの共有なしに、「やろう!」だけでは、不得意な方が不満を仰るのは当然だと思います。

これから就労支援事業所を開設したい!と考える人は、現場の業務体制を構築する上で、何を注意すればよいのでしょうか?

上手く稼働している事業所は、ここを徹底しています!

 上手く稼働する事業所のポイントは、以下の点にあります。

  • 職員のストレスマネージメント
  • ITツールを活用する為のスキル向上
  • スタッフの質の向上
  • 環境整備
  • スピード感

 上手く稼働できていない事業所は、「人材教育」への取り組みが欠乏しているように感じます。この点を仕組みにすることで、就労支援事業所を開設した後、経営も安定するものと感じています。

「予算に余裕がある方向け!就労支援事業所の新規開設におすすめツール」はありますか?

デバイス環境を整えることが大切です。

 もし予算に余裕があるようでしたら、以下の環境を構築することが良いと思います。

■業務環境

  • 一人一台のハイスペックなパソコンの提供
  • 事業所内の環境整備(明るい雰囲気の室内、クールダウンできる空間等)
  • 休憩スペースの確保

■業務アプリケーション

  • kintone
    [支援者]支援記録、スケジュール管理、企業管理、問い合わせ記録、スレッド、社員名簿、休暇申請、その他の情報共有
    [利用者]日報、セルフケア入力、スレッド、問い合わせ記録、利用者名簿、アンケート入力

    kintoneを活用することで、「こんな機能があったらいいね!」を素早く業務に実装することができます。
  • ZOOM
    在宅支援の利用者に対しても顔を合わせる機会を構築することが可能。
  • F-Chair
    タイムカードのような機能。在宅の利用者に対して、支援プログラムを可視化することが可能。10分~15分間隔で、PCに画面が記録されるため、利用者が今何をしているのか、把握することが可能です。

「予算に余裕が無い方でも使える!就労支援事業所の新規開設におすすめツール」はありますか?

PCだけでも機能的なもので構成いただく方が理想です

■必須項目

  • 一人一台のパソコン環境(可能な限り新しいもの)
  • Googleの無料アプリケーション
    • Google drive
    • Google Spreadsheet
    • Google Documents

■その他便利ツール

  • Slack
    LINEのビジネス版。利用者や職員間のコミュニケーションに活用できる。

ここがポイント

利用者とのメッセージ連絡については、ひとりの職員が見れるのではなく、全職員が見れるような環境にしておくことが大切。そうすることで、情報の共有速度を高め、全職員でレスポンシブルな対応が可能となります。

最後に、これから就労支援事業所を開設したい!と考える経営者の方にメッセージをお願いします。

人材の確保を軽視しないことが大切!戦略的に!

 一番大切な事は質の高い人の人材の確保です。キャリアを積んでこの福祉の業界に入る方も多い中、どちらかというと企業経験者の方が、ポジティブでフットワークが軽いように感じます。また、ICTの活用、パソコンのスキルは必須です。ひと昔前の福祉の考え方ではなく、福祉+経営といった観点で物事を考え、一人一人のスタッフが同じ方向を向いていないと誤った方向に進んでしまう事があります。また多様性と言われている今の時代、柔軟に対応ができる方、新しい事への抵抗感のない方々がチームを組んで取り組んでいくと質の高い支援になり、利用者の方の自立につながっていくと思います。

かねやん
かねやん

障害福祉サービスの経験だけでなく、ライターとしても活躍するみつい様に取材しました。職業指導員として、現場での悩みや解決策について伺いました。就労支援事業所の経営者様は、以下に職員を孤立させない環境を作るか、考えていく必要があります。今後の事業所作りの参考にしていただければ幸いです。

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